Q14


認知症の父が書いた遺言書は有効なのでしょうか?
 

A

認知症であるか否かだけで遺言書の有効無効を判断することはできません。
お父様の作成時の病状の程度や遺言内容等に様々な事情によって判断されます。 
 

(解説)

遺言書の作成には満15歳に達した者が,遺言書作成の際に「遺言能力」を有していたことが必要となります。
「遺言能力」とは一般的に、遺言の内容及びその法律効果を理解するのに必要な能力のことをいいます。

すなわち、作成の際に遺言の内容を理解し,さらにこの遺言によってどのような法律効果が生じるのか理解できる能力があったことが必要なのです。

そこで、遺言能力があったのか判断するために、個々の事案ごとに
  • 遺言の内容
  • 遺言者の年齢
  • 遺言者の病状及びその推移
  • 遺言作成の経緯
  • 遺言作成時の状況
  • 遺言者と受遺者等の関係など
様々な事情が考慮されており、裁判例においても個別の事案ごとに遺言能力の有無の判断が分かれています。ご質問の事案の場合も、
  • 遺言書が複雑な内容であるのか否か
  • お父様の認知症がどの程度進行,推移していたのか
  • 遺言書作成時のお父様の状況がどうであったか
などの事情によって,遺言書の有効無効の判断は変わることとなります。
 

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